JUDD | MARFA展の関連イベントトークセッション2部において参加させていただいた。
建築家青木淳さん、デザイナー佐藤可士和さんとファシリテーターは今回の展示構成も手掛けた寺田慎平さんと大御所ばかりの中でしたが、それぞれの視点での話が面白くぼくらの前のセッションから聞き入ってしまう内容でした。
ワタリウム美術館の歴史の中にJUDDは深くあったのは知っていましたが、このタイミングで、しかも自分も僅かながらも関われたことがまずは嬉しく思う。
トークの中でぼくが一番言いたかったことは、近年ずっとJUDDの使う「Specific 」という言葉をどう訳すといいかということで、ずっと自分のしっくりくる言葉で理解したいと考えていた。
そんな時に2018年にサンフランシスコMOMAで観た展示「Specific furniture」に出会う。そこにはJUDDがマーファやニューヨークのスプリング101でインスタレーションしていた家具、Aalto,schindtler.rletveltといったデザイナーの家具とともにJUDDの家具と共に展示されていた。おそらくJUDDはそのデザイン性も評価しながらも、そのデザイナーの椅子を椅子以上の存在とはせずに、ある制約や、素材から産まれた椅子として見ていたと。
その後にワタリウム美術館での講座で安藤礼二さんの話される鈴木大拙の日本的霊性の講座を受けたことがさらにこの「Specific」を自分の中で消化するタイミングとなりました。そこで出てきた「即物」という考えは、その言葉自体の響き以上に深い意味をその場で知りました。
それは「ものそのもの」を言い、説明を必要としない強さを持ち、意味を拒絶したある秩序さを見せます。まさに「それ」なんだなと。この即物が一番すうっと心に入ってからはいろいろな本を読んでもJUDDのSpecificを以前より理解できるようになってきたように思う。
何度もマーファに通っていながらもうまく言葉に出来ないところにも良さはあるけれど、難解と思うことの氷河が溶け始めたらそこからはいろいろとそのまわりにあるものが繋がりさらに理解を後押ししてくれた。
トークの終わりに安藤礼二さんと和多利さんが近寄って来てくれて即物のことを話したことを理解していただき直接話してもらえたのが本当に嬉しかったです。
マーファまた行きたくなりました。次は誰と行こうかな。
中原 慎一郎

*写真はサンフランシスコMOMAでの展示2018 Specific furniture にて